夫の駐在に帯同することのメリット・デメリット(妻の仕事・再就職編)

夫の駐在に帯同することのメリット・デメリット(お金編)の続きです。

お金編を書いてみたものの、妻の仕事や再就職についても記載しないとお金編全てを語ったことにならないですね、ということで書いてみるものです。

色々な人がいると思いますけれど一般的な話でいうと、正社員の仕事を辞めてついていく妻が主流かと思います。で、赴任中は仕事しないのでもちろん給料ゼロで、それには納得しているけど、問題なのは帰ってきた後に再就職先があるか、ってこと。

結局のところ再就職先の有無によって世帯年収が変わってくるので、お金だけについて語るのであれば、夫の年収とか福利厚生で帰国後の家賃補助が出る云々より、ここがポイントになってくる。

でも、更に問題をややこしく難しくするのは、上のことに加えて、数年の専業主婦生活を経て、

  1. 働き方に対する考え方が変化している
  2. 家族構成が変化している

などの変化があること。

もちろん物理的に前のような勤務の仕方ができなくなっている場合もあるし、自分の希望で前ほどバリバリ働く前向きな気持ちが薄れてきている場合もある。

いずれにせよ自分の気持ちと状況に色々と折り合いをつけて、帰国後の自分の在り方を決めていくのだと思うのですが、この折り合いをつける心理的な作業が、少なくとも私にとってはそれなりに負担のようだ、ということは帰国して1ヶ月しか経っていない今の時点で言えることの一つです。

要は、お金だけじゃなくって、私の幸せって何なのよ、というある種哲学的な問いが自分に降りかかってくるのですが。

もちろん、今までだって考えたことがないわけではありませんが、例えば、新卒で就職した会社にずっと不満もなく勤務していたのであれば、それをベースに自分の人生を考えたりするのが一般的な訳です。

人って日々の積み重ねで自分が何者なのか、っていうのをある程度定義している部分ってあると思うのですが、それが海外転勤の帯同で一度真っ新になったあと、アラサーでポーンとまた日本社会に戻ってきて、「さぁ、これからどうする!?」というオープンクエスチョンが待ち構えているわけです。子持ちならまた心持ちも違うのかもしれませんが、このオープンクエスチョンはそれなりに難題なのです。

 

「正社員?派遣社員?時短正社員?パート?」

「正社員以外はボーナスないし、時給も低いなぁ。お金はもらえるに越したことはないよね。でも、正社員だと今までみたいに料理はあんまり作れなくなるかもな…」

「いざという時に備えて給料はそんなに多くないけど産休の取りやすい会社にするとか?それともバリバリやってお給料いっぱいもらえる会社か?パートも魅力的だけど、万が一子供産んだらまた専業主婦に逆戻りって考えるとなあ…」

「前の仕事も楽しかったけど、持ってる資格生かすのもいいかなぁ。そもそも私、何の仕事したいんだろ。給料高ければなんでもいいかって言われるとそうでもないし」

「夫の希望と、自分の希望が微妙に違うんだけど、どうしよう」とか。

他人の目だって、全く気にならないかっていうとそうでもありません。そんなもの、気にしてもなんの得にもならないことも頭ではわかっていますが。

 

色々な次元で悩みが生まれて、色々な次元を行ったり来たり。夫は「まずパートにするのか、フルタイムにするのか決めろ」とかアドバイスしてくるし、他人から見たらご尤もなアドバイスなんですけど、「正社員でもあまりに残業多いと長く続けるのは無理そうだし、一定期間職探しをしてもそんな求人しかないなら、この際派遣社員でフルタイムと同じように拘束されるよりも、自由度の効くパートもありかなぁ…」なんて、別次元の話でフラフラ迷ってしまうのが私の現実の姿な訳です。

でも、そういう悩みでグダグダしている姿は夫から見ると贅沢に見えるようで、呆れ顔をされたり。

でも、私は私で「そもそも夫側が希望して蒔いた種に2年半付き合ったのに、ちょっとの間グダグダ迷うことぐらい駄目なわけ?」などと思ってしまうわけで(そりゃ食わせてもらってるので、実際に本人には言いませんけどね…)、夫も適当な相談相手と言えるかというと、そうでもないもので。(かといって、その他に適切な相談相手がいるわけでもないのです。友人だからといってこの相談を受けとめてもらうべきかというとそうではなく、じゃあ誰に、というとそんな相手は誰もいないのです。)

ま、贅沢な悩みと言われればそれまでなんですけどね。当面、食っていくのに困っていないのは事実なわけで。

でも、結婚して仕事辞めるのも、子供産んで仕事辞めるのも、子供産んだけど復帰して両立して働くのも、未婚のままバリバリ働くのも、全部選べたはずの選択肢の中から、どれにも少しずつ未練がある中でどれかを選ばなきゃいけない期限がじわじわと迫ってきている、っていうのが今の30代前後の女性で、それで、隣の芝生はなんだかすごく青く見えるもので。

私の場合、少し状況は違うにしても、それがぐちゃあああっと一気に押し寄せているようで、「ああ、どうしましょう、何を選びましょう、何を諦めましょう」という感じなのですが、実際のところ、これを性別の違う夫に理解せい、というのは無理なのかもしれません。

男性は男性でまた大変なのもわかりますし、実際のところ、定年まで私のようにいろんな選択肢から迷うこともできないのだとすると、私に呆れ顔になってしまう夫の気持ちも分かります。

別に普通に暮らせているんだからそんなに考え込まずに好きにすればええがな、と。はい、分かります。女って、めんどくせえな、と夫は思っているかも知れませんが、私もそう思っています。(女の問題と纏めるな、お前の問題だろうって感じですね。)

自己実現で仕事選ぶなんて碌でもない。分かっていますとも、頭では。

 

さて。

そんな中で一つだけ事実として分かったことを同じような立場の人に報告するならば、数年単位で仕事を離れた人が再度、正社員として再就職することの難易度については、想定していたよりも難易度は低い印象です。

(といっても、私が若かりし頃、留学から帰国して当時の自分の会社に再就職をしてきた32歳くらいの女性が、「再就職活動本当に大変だった、30過ぎた女性が再就職するのは死ぬほど大変だ」ということを切々と語っていたのがインパクト大きかっただけかもしれないのですが、あるいは、ここ数年で女性の働き方に対する世間の考え方もグッといい方向に変わってきたのかもしれません。)

ま、再就職については、年齢や、それまでのキャリアや、景気や、労働力の需給など様々な要因が絡み合っているので一概には言えないこと。結局、私の場合の話としか表現できないのですが、ブランク2年のアラサーで、今まで真面目に働いていたのであれば、それなりに就職先はありました。

なので、例えば、

  • 帰国時にアラサー前後の年齢
  • 再就職時に履歴書・職務経歴書の審査を通過できそうな職歴、学歴、資格などがそれなりにある(その後は面接でどうにでもなるので)
  • 海外暮らしにも非常に興味があるが、再就職の面から駐在帯同を迷ってる
  • 駐在期間は1、2年程度

とかであれば、何とも言えないところがあるのは大前提ですが、過剰に選り好みしなければ再就職先はあると思います。(ま、これは子供がいない場合なんで、子供がいたらまた状況は変わるんでしょうけれど。でも、例えば実家に子ども預けるつもりです、とかであれば、そんなに不利にならない気はした。)

なので、このエントリのタイトルであるメリット・デメリットという観点では、デメリットは本人のガッツで割とカバーできる範囲なのでは?と感じました。

(ただしやはり、ブランクは短ければ短いほどいい、年齢は若いほどチャンスは大きい、というのは事実としては存在していて。でも、基本的に今は人が足りてないので、能力としてまともな人ならその他の条件については譲歩せざるを得ない企業って意外に(?)かなり多い印象があって、そういうところにヌルッと滑り込むことを希望として捨てちゃいかん、とも強く思ったのでした。ブランクがあっても、自己研鑽続けてたり、ってことに理解を示してくれる人は存在していた。)

それから、駐在に帯同するために仕事を一度辞めることで、ゼロベースでどんな仕事したいかもう一度考えられることがプラスに考えられるのであれば、1〜2年の帯同ならメリットが大きいのかもしれません。年収は多少下がることもあるかもしれませんが、前回に書いた帰国後の家賃補助なんかも加味すれば、悪い話ではないようにも捉えられるのでは。

でも、絶対に手放したくないポジションの仕事があるなら、基本的に二度と手に入らないかもという認識は必要かなぁ、とは思います。それから、一握りかもしれないけど超一流企業で過剰に条件のいい仕事してた場合で、その企業以外で同じ年収の仕事見つけたいとかは、ちょっと難易度上がるのかなぁ、とか。会社のおかげで下駄履いてた部分はやはり脱がざるを得ないので。別に下駄脱いだからって死ぬわけでもありませんけどね。

って、そんなの分かっとるわい!って話をつらつらとしてしまいました。

とりあえず引き続き迷走中なんですけれども、久しぶりに自分で働いた給料で、この間、夫に焼肉を奢りました。

クズ人間なので、人のお金で食べるご飯の方が圧倒的に美味しかったですが。なんのこっちゃ。

【今回読んだ本】

どんな人がぶら下がり育休社員になってしまうのか、その理由は?など、論文形式なのにグリグリ心臓を掘ってくる本でした。

日本にいると、読みたい本が格安で手に入る幸せ。

スポンサーリンク

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です