謝礼ゼロのお願いから得るもの

この話は、知り合い経由で、事業開発のためのインタビューみたいなものをさせてほしい、と頼まれた時の話。

どうやら相手は、イギリスに住んでいる日本人向け、もしくは海外在住の日本人向けにレシピサイトを作ったらどうか、というあたりの調査をしたかったらしい。

この話はブログ経由で来た話ではないけれど、ブログをしているせいか、「海外に住んでいる、イギリスに住んでいる」という理由でもっての諸々の依頼というのは結構来るもので。(謝礼があるもの、ないもの両方ある。)

100のうち98くらいはシカトして終わりなのだが(面白い内容だったら謝礼ゼロでも暇つぶしに乗るんだが、概して謝礼ゼロの依頼というのはびっくりするほど面白そうに思えるものさえないのに驚くわけですが。見知らぬ人に何か依頼するなら、向こうが乗りそうなエサを投げるってのは当たり前に思えるんだけど、そういうことをできる人は驚くほど少ないようだ、ってのはブログをして初めて学んだことだった。)、この依頼は如何せんブログ経由ではなく知り合い経由だったため、無下にするわけにもいかず、インタビューを受けたのだった。

それに、まぁ妙な依頼が溢れる中では比較的まともで面白そうな依頼だったこともある。何が面白そうだったかというと、その依頼が大手レシピサイトの会社からだったからで、私はその人がするであろう質問のクオリティにとても期待を持っていた。人気のベンチャー企業ですからね、池上さんなら「いい質問ですね!」と思わず言うであろう質問がいくつも飛んでくることを期待した。質問にはその人やその企業の考えている仮説めいたものが含まれるはずで、ああ、この会社はこういう事業を考えてるんだな、とか、そういうものが想像できて垣間見えたら面白いじゃない。そう考えていた。

ところがどっこい、飛んできたのはよく分からない質問だった。そもそも、主婦の仕事や家事というものをよく分かっていないので、質問がトンチンカン。1ヶ月仕事を休んで主婦をした方がよっぽど事業開発に役立つのでは???というような質問ばかりで、要するに私は馬鹿にされたのだろう。無料だから。

でも、無料じゃあロクなアンケート結果は取れないんだぞ、ってことを社会人2〜3年目の坊主に伝えたくて、クソみたいな回答をしてみたんだけれど、如何せん家事経験がないからクソみたいな回答ってことも気づいてないかもしれない。

それでも無料で労働力を提供したわけだから、何らかの教訓を自分の中に得ないと損ですね、(どこまでもケチ。)ってことで、以下思ったことを書くわけだけど。

インタビュー受けてみて、改めて思ったけれど、やっぱり無料で何かを提供してもらおうと思っても、思っているようなクオリティのアウトプットは出てこないよね、ってこと。

でも、いい企業とか大きい企業に勤めてると、社会人でも若手とかだと意外と気付かない人もいるのかもしれない(怖い)、ってことも思った。大きい企業だと、その後の見返り求めて無償で色々してくれる営業マンとかで溢れてるじゃない。まぁ今だと一般消費者でも無料で使えるサービスたくさんあるし、無料とか無償に慣れちゃってるのよね、きっと私も含めて。そんで極め付けに、あのレシピサイトってのはそもそもが一般の人からの無料投稿で成り立っていて。(もちろん投稿者は好きでやってるんだし、無償を超える価値があるからあんなに流行っているわけで、それにどうこう言うつもりはないけれど。そして私も人が無償で書いたものを見てイギリスでも日本食が作れていたわけだから、あのサイト自体に私が文句言う資格はないが)、だから人に何か無償でものを頼むのも比較的馴染む文化なんだろうなぁ、って。(別に善悪を言ってるわけじゃないですよ、感覚の問題だから悪いもクソもない。)でも、利害関係ない人にはそれじゃあ無理だぜ坊主。金が出せないなら、面白さを出せ〜

それから、質問のクオリティってやっぱ重要だよね、ってことと、そのクオリティが大したものじゃなくて馬鹿にされてるなーと思われた時に、それがメリットのない関係ならそのことを教えてあげることもないってこと。

それなりのクオリティのアウトプットやサービスを受けたいなら適正な価格や謝礼、それ以上の結果を出したい時や格安・もしくは無料でやってもらいたいならそれなりのモチベートされる仕組みが必要だよなぁ、と。

勉強になりました、ありがとう坊主。

スポンサーリンク

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です