イギリスに売っているコンソメはまずい。コンソメ、というか、正確にはストックキューブという商品なので、コンソメではないのですが。
ビーフ、チキン、野菜、フィッシュのストックキューブ。この他に、ラムもあります。これを野菜を煮込んだところに一粒入れるだけで、スープの出来上がり。
この手順が日本のコンソメと非常に似通っており、類似品として非常に便利なのですが…
あんまり美味しくないのです。味が単調で、深みがないというか。(ま、分かってますよ、私の舌が科学調味料まみれの味を好む舌だってことは。でも、わたしはやっぱり素材の味を楽しむイギリス流よりも、科学調味料入りのごはんが好きなのよ~w)
それに、冷めてくると更にまずいの。脂分が多いので、こんな感じで脂分が浮いてくるんですよね。まぁ普通に肉じゃがとか作ってもこうなるもんだし、別に温めればこの脂分はまた溶けるんだけれども、なんとなーく舌にざらつきが残るというか。
それでも、仕方ないと思っていたのです。イギリスに住んでいるんだから、と。
でも、ウィーンで出会っちゃったんですね。
Hühner suppe(鶏肉スープの素)と、Klare suppe(クリアスープの素)。
Hühner suppeもイギリスのものと比べて非常に美味しいのですが、Klare suppe(クリアスープ)の方、これ、もうまさに日本のコンソメなんですよ。
もちろん、冷めてもきれいなまま。(材料はほぼ同じで作ってます)
で、なんでなんでー、と思って調べたら、
まず、クリアスープってのが、所謂フランス語でいうコンソメ、のことらしいんですね。つまり、このウィーンでゲットしたKlare suppe、これ、まさしくコンソメだった、ってわけ。ドイツとかオーストリアにはコンソメ、普通に売ってるんだね~、と驚きました。(ドイツとオーストリアは言語もドイツ語で一緒だし、売ってるものは非常に似通ってるのだと思われます。)
で、さらに調べると、
日本で初めてコンソメを量産したのってたぶん、味の素が全額出資してつくった、日本コンソメって会社のようで。数年後に当時のクノールとの合弁会社に変わって、ここで1965年にクノールブランドのコンソメ出したのが最初。それが、途中で「味の素コンソメ」に名前が変わってる、という。多少アレンジは加えてるかもしれないけど、日本のコンソメの味のベースとなってるのはクノールのクリアスープっぽいんですよね。(クノールの元々の創業はドイツ南西部。で、今回私が買ったマギーってブランドは、ドイツとかオーストリアではクノールの次の2番手調味料ブランドみたいなもん。だから味は基本的にクノールと似てると思われます。)
コンソメっていえばフランス語だし当然フレンチでしょ、って思いがちなんだけど、日本の家庭の味としてのコンソメは多分ドイツから来てんのね。だから、このドイツのコンソメもなんか美味しく感じる、という。ま、ハンバーグとかフランクフルトとかウィンナーとか、ドイツ・オーストリア由来のものってたくさんあるし、何にもおかしくないんだけれど。
で、イギリスにももちろんクノールはあるのに、なんでドイツの味じゃないの?って話なんですけど。っていうか今日の話全部推測ですが、イギリスってOXO(オクソ)があるじゃないですか。あれはイギリス発祥の企業で、ストックキューブのシェアとしてはあそこがたぶん一番だし、歴史も長くて、クノールがイギリスに進出しようと思った時(ちなみに戦後、1949年のことだったそう)にはすでに市民権得てて、じゃあイギリスではあそこの味を真似したものを出そう、みたいな話になったんじゃないかと。これにより激マズストックキューブだらけの売り場が爆誕、みたいな。イギリスの悲劇!知らんけど。
クノールまでまずいなんてふざけるなよ、と今まで思っていたけれど、あんなまずいストックキューブを出すのはクノールだって本意ではなかったのかもしれない。クノールのことを誤解していた気がする。ごめんよ。
そんなわけで、イギリスで本物のコンソメをゲットするのは無理なのか…と思っていたんだけれど、スーパーでふと目について、家にまだドイツコンソメがたくさんあるのに買ってしまったのがこれ。
表にクリアスープ、裏にコンソメって書いてある。
チキンフレイバー入りなので、普通のコンソメに少しアレンジが加わった感じ。
置いてある場所は、ストックキューブの棚ではなくって、KOSHER、カシュルートの棚。ユダヤ教の教義に沿った食品を扱う棚のことですね。このあたりに、これだけじゃなくてたくさんコンソメ類が置いてありました。Telmaってブランドもイスラエルの会社らしい。
これでスープ作ってみたのですが、普通に美味しかったです。粉なので量を自分で調整できるし、スープだけじゃなくて料理にも使えるのがいい。グラタン焼く前にちょっとふりかけたりとか。もっと早くこっち買えばよかった!
カルシュートの棚に売ってるコンソメスープも、結構美味しかったです。イギリスって意外とコンソメ系のインスタントカップスープってないんですよね。
いままで我慢してたのは何だったんだろう。イギリスのバカ。
はじめまして こんにちは
今月下旬に渡英を予定している者です。
8月に渡英が決まってから、こちらのブログを参考に
準備を進めております。
正に今回のコンソメネタはストライクゾーンでして
実は9月までロスに住んでおりましたが、仰る通り
クノールのコンソメキューブの激不味さ!
教えてくださって有難うございます。これで日本の味に近いロールキャベツ、ポトフが作れそうです。
ちなみに’味の素の鶏がらスープ’は手に入りますか?
もしくは中華街などで似た感じのものは手に入りますか?
お教えいただければ幸いです。
これからもブログ楽しみにしてます!
はじめまして、こんにちは。ブログお読みいただきありがとうございます。
アメリカもコンソメキューブ、まずいと知って衝撃でした、イギリスと同じ味なのでしょうかね…?怖いもの見たさで試してみたい気も。
鶏ガラスープの素は、味の素のものかまでは分かりませんが、日本食材店で手に入ります。(もちろん日本より値は張りますが。)もしかしたら、日本製のコンソメも手に入るのかも。
ジャパンセンター(イギリスで一番大きい日本食材店)のホームページで商品検索をすると、ある程度売っているものを把握できますのでぜひお試しください☆
ぜひまた遊びに来て下さい~(^^)
はじめまして!在英3年半になります。
私の中でかなりタイムリーな話題で思わずコメントしてしまいました。
渡英当初にこちらのスープストックに撃沈して以来日系スーパーで高い高い日本のコンソメをちまちま買っていたのですが、先日3軒回っても売り切れで見つけられず…
途方にくれていた時にスーパーで見つけたのがイスラエルのコンソメキューブ。試しに買って見たら良い感じでした\( ¨̮ )/
この喜びを誰かに伝えたいと思っていたところ、この記事を読んで、かなり感動しています。笑
はじめまして!コメントありがとうございます。
イスラエルのコンソメキューブって、あの鳥の絵が描かれているものでしょうかね?私もあれ気になっています^^
まさかイスラエルの商品が日本のコンソメに近いなんて思いもしませんもんね、普通。けっこうなびっくり体験ですよね^^;
共感していただけたようですごく嬉しいです^^
こんばんは。私もロンドンにおり、いつも楽しく拝見しています。
コンソメは、ほんと皆さんも書いていらっしゃいますが、私も過去
アメリカにおりまして、半ば諦めておりましたところでした。
早速、Telmaを探してみたのですが、どのあたりのお店にあります
でしょうか。
はずかしながら見つけられないでおります。
スーパーの規模が小さいところしか出かけていないのかもしれませんが
アドバイス頂けると幸いです。
宜しくお願い致します。
こんばんは。いつもお読みいただき有難うございます。
アメリカはやはり、イギリスと商品展開が似ているのですね^^;やになっちゃいますね^^;
Telmaですが、手に入るのはやはり大きめのスーパーになると思います。それか、比較的ユダヤ人の多く住むとされているフィンチリーロード~ゴルダーズグリーンあたりのスーパーなど(これはただの推測ですので、ご参考まで。そこまであてもなく行くなら、普通に日本食材店でコンソメ買ったほうがいいですよね^^;)。ウェイトローズやセインズベリー、テスコで見かけたことがあるので、どこのスーパーというよりは、やはり規模の大きいところのみ売っているのかもしれません。
オンラインスーパーでは上のどのスーパーも取扱がなかったようですが、オカドでだけは見当たりました^^;
オカド telma
御礼が遅れまして申し訳ありません。
詳しくご案内くださり、ありがとうございました。
探してみます❗
(昨日のお天気で、折角の土曜も出る気にならず。。。笑)
本当に、あるあると、ブログを拝見していて
一人でうなずいています。
ご帰国のご予定とのことで、さびしい限りですが、、、
でもでも、まだまだ楽しみにしておりますので
どうぞ宜しくお願い致します。
ありがとうございました。
ありがとうございました。
おかげさまで、昨日waitroseにて購入できました!
使ってみて、感激しました。
まずは、御礼まで。
無事見つかったようで良かったです~!
はじめまして!いまロンドンの郊外の本屋のカフェでコンソメ関係で悩んでいましたが、こちらの記事を見て解決しました。有益な記事を書いてくださって本当にありがとうございます。