4度目のナショナルギャラリー。宗教絵画を中心に見る。

日本にいた時はそこまで興味もなく、友人に誘われて行く程度だった美術館。しかし、ロンドンでは、何と言ってもほとんどの入場料が無料!貧乏性の私はそこら中の美術館へ足を伸ばしてみたのですが、そうなると美術館がけっこう好きになってきて、有料の美術館にも行きたくなったり、色々と勉強をしてみたくなったり。結局貧乏性のはずが趣味が増えてお金を使う羽目になっている状態です…(゚∇゚;まぁでも趣味が増えるのは楽しいですよね(・∀・)

ということで、先日はロンドンに来て4度目の、ナショナルギャラリーへ行ってきました。そもそも日本で同じ美術館に何度も行った経験なんてなかったのですが、ロンドンでは無料なこともあり、何度も何度も行ってしまいます。

今回のテーマは、「ロンドンに来た頃にはまったく理解できなかった宗教絵画、もう少し理解できるようになれば、もっと絵画が楽しくなるのでは?」です(`・ω・´)

本日の事前課題図書はこちら2冊。(どちらもキンドルで読めるものを。ロンドンにいるとそれしか選択肢がないので…。)

『西洋美術史入門』は、聖書についてというわけではなく、西洋美術を鑑賞するための基本的な導入書になっていて、西洋美術に興味が出てきた人向きの本です。なぜか現代人は「美術」というと「心で感じるもの」みたいな発想になりがちなんですけれど、画家っていうのは生活のための職業であり、絵画を描かせた金の出し手が必ずいる、そして、そのオーダーにはその時代時代に金の出し手が伝えたかったメッセージが描かれている、みたいなことが書かれている本です。絵画を見る視点がちょっと変わると思います(*´ェ`*)


『聖書の名画はなぜこんなに面白いのか』は、聖書の有名なエピソードを実際に紹介しながら、そのシーンにまつわる絵画を紹介していく内容です。宗教絵画は、識字率の低かった時代に絵を見せながらキリスト教を布教するためのものという要素も強かったため、「心で感じるもの」ではなく、非常に説明的な絵が多いのです。なので、各々のエピソードを知っていて、そのエピソードに必ず出てくる象徴的なグッズの知識がちょっとあれば、だいたい何が描かれたシーンなのかが分かるようになるのです(`・ω・´)

ということで、本日はこの2冊を読破した上で、宗教絵画のみを見て回りました。
(ちなみに私自身はキリスト教徒ではないですが、プロテスタントの学校に通って聖書の授業を数年受けていたことがあるため、聖書のバックグラウンド知識は若干あるほうです。とは言っても、「これを読めば聖書が分かる!」的な本を1冊読めば辿り着いてしまうほどの浅はかな知識レベルですが…(;´Д`)下記の説明で何か間違っているところがあったらごめんなさーい…。そして聖書に全く触れたことが無い方は、そういう類の本を1冊読むだけでも楽しさが増すと思われます!)

そもそもですね。超低レベルな私は、「どれがイエスでどれがイエスでないのやら…?」と言った感じだったのですが。この、頭がピッカーンとしているのがイエス、というのが西洋絵画では当たり前なんだそうです。知らんかったよ(‘A`)もちろん全部が全部、光っているわけではないのですが…。
2015-06-01-21-55-50

まずこちらは、羊飼いの礼拝のシーン。シーンの解説はこちらから
2015-06-01-21-28-23
こちらは、東方三博士の礼拝のシーン。シーンの解説はこちらから
2015-06-01-21-28-29
どちらもイエスが生まれたことを聞きつけて、羊飼いや諸国の王が礼拝に訪れた、といったシーンです。まぁ史実としてはこのようなことはなかったと思うのですが…(笑)、新約聖書は基本的にイエスの正統性を高める形で編纂されていますので、そのワンシーンと言ったところでしょうか。ナショナルギャラリーにはこれらのテーマで描かれた絵が非常に多くあります。

お次は、ゲッセマネの祈りのシーン(オリーブ山での祈りとも言う)。シーンの解説はこちらから
2015-06-01-21-48-36
イエスが十字架に張り付けられる前に、神に祈るシーン。3人の弟子は夜通しのお祈りに耐えられず、爆睡中。このシーンもいくつかナショナルギャラリーにありました。

こちらは「ピラトの前のキリスト」。シーンの解説はこちらから
2015-06-01-21-52-05
どれも新約聖書の中では有名なシーンで、『聖書の名画はなぜこんなに面白いのか』の中で色々と解説がされています。その解説を読んでから行くと、「あー、あのシーンだー!」てな感じで理解できるので、なかなか面白かったです。

そしてこちらは、聖セバスティアヌスの絵。
2015-06-01-21-43-20
この聖セバティスアヌス自体は、3世紀に処刑されてしまったキリスト教の聖人で、キリスト教なことがばれてしまったことから弓矢で処刑されたのですが、沢山の弓矢を受けたのにもかかわらず致命傷とはならず見事復活した!という聖人なのです。ですが、実はこのモチーフの絵が頻繁に描かれたのは14世紀になってから。ペストが大流行したことで、彼の存在が一躍フューチャーされ、お守り代わりにこの絵を描かせる金持ちが沢山増えたんだそうです。(この話は『西洋美術史入門』に掲載されています。)ナショナルギャラリーのこの絵も、1475年の絵でした。背景が分かるとおもろい(・∀・)

ということで、今回は本の内容を確かめる感じで楽しんで、ナショナルギャラリーを後にしました。また勉強して行きたいな。ちゃんちゃん。

スポンサーリンク

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。

このサイトはスパムを低減するために Akismet を使っています。コメントデータの処理方法の詳細はこちらをご覧ください