日本で初対面の人に、「旦那さまはどちらにお勤めなんですか?」と聞いたら、多くの人は顔をしかめるんじゃないか、と思う。
だけど、所変われば常識も変わるのか、異国の中の小さな日本人社会だからなのか、理由はよく分からないけれど、ロンドンに来てから初対面の人にたまに聞かれるフレーズだ。
所変われば常識も変わるので、「常識外れだー」とイライラする、とかは一切ない。でもちょっとだけ、このフレーズに抵抗がある、というのもまた事実だ。理由は、日本では初対面で聞かないことだから、これに尽きる。でも、ここは日本じゃないのも知っている。だから、いつもほんのちょっとだけの、抵抗を試みている。業界を答えてみたり、時には「セントラルの方で」という謎のざっくりとしたエリアを言ってみたりする。蛇足だけれど、「セントラルの方で」と答えると、もちろん、この人会話のキャッチボールできないのかな、みたいな空気になる。確かに相手の望む回答を答えていないのだから、それは真実でもあるのだけれど。
もちろんそれ以上聞かない人もいる。だけど、結局のところ、「旦那さまはどちらにお勤めなのか」を知りたい人は、会社名を知りたいもんだ。結局、業界を言ってみても、「で、どこの会社?」みたいになる。ものすごく知りたそうな感じで、「どこの会社?」と聞かれたら、いくらブログでいつも辛口をたたいている私でも、そこは現実の社会ですから、答えざるを得ない。
海山商事です…。
それに、隠すようなもんでもないし、ちょっと抵抗してみてダメだったら言っても別に問題ない程度のちっぽけな話だ。
でも、当然会社の名前を聞くのだから、何か理由がある、と普通思うだろう。「実は私の夫も同じ業界だから、同じ会社かなー、と思って。」とか、話の流れ上それを聞いた方が話がスムーズになるから聞いている、とか。そんな場合は何とも思わない。
ふぁっ??と思うのは、社名を言っても、その後何のコメントもない場合だ。
「何のために、私は社名を言ったのかしら?」
となる。
他人と初めて出会った時に、その他人がどういう人間か把握するには、色々な情報が必要だ。顔、性別、年齢、声、どんな話をする人か…とか、きっと人間は色々なことを他人の把握のための材料に使っている。その人にとっては、私という人物を把握するのに、私の夫の会社名が必要だったんだろうな、と思った。
確かに旦那さんの仕事が分かると、その人を立体的に理解、把握できる、ってのはあるかもしれない。でも、それが業界だけが分かる状態から会社名まで分かる状態に変化すると、どのくらい立体度が増すんだろう、思った。でも、その人に「どのくらい立体度が増しました?」と聞いたら完全に意味不明な人になるので、もちろん聞けない。
そもそも、自分の中の、どの情報をピックアップして人に覚えてもらうかは、自分で選べない。お○ぱい星人佐藤さん、鬼瓦顔の鈴木さん、ぺち○ぱい高橋さん、キラキラリア充田中さん。どんなふうに認識されても、文句が言えるわけでもない。だから、色々、仕方ない。でも、海山商事の旦那さんの嫁、ってのは私の1%も形容していない気がするなぁ、とぼんやり思ったのでした。ま、いいけどね。
という、ぼんやりとしたつぶやきでした。 (特に何かに悩んでいるわけではなく、モヤモヤを言語化する試みコラムです。)
画像はこちらからお借りしました:http://www.maniado.jp/
ご無沙汰してます、claraです^^
今回の記事も身バレの話も、よーくよーく分かります。私も渡英するまでは会社員でしたので、専業主婦に関しても同じような思いです。このモヤモヤした気分を代弁して下さってありがとう!
お返事遅くなってごめんなさい、ご無沙汰してます~(^^)
一時期モヤモヤ~を色々書くのにハマっていました(笑)
お付き合いできる範囲でお付き合いいただければうれしいです~(^^;)
初めまして。
ブログ主様と同じ理由でロンドンにかれこれ2年ほど暮らしています。
ちょっとおじゃます(^^)
私も同じ状況にいたら、きっと同じように思います。
と言っても日本人の方々と滅多にお会いする機会がないのでその経験はないのですが、20年前に駐妻した知り合いから聞いた話と同じだ~とある種の感動のようなものを感じました。
決して言っている人を咎めるつもりはありませんが、
私は、初対面で話している相手を通り越して夫の仕事の質問をすることはおかしな行為だと素直に思います。なので、そんな機会があったら「なぜいきなり夫の話なのか」と真剣に聞いてみたいです~
いつの時代になっても同じようなことが起きていることが分かった興味深いお話しでした。
今日はお天気良かったですね~
よい週末をお過ごしください♪
こんにちは。最近は日も長くなってきて、嬉しいですよね♪
駐在妻のあるあるネタかな~と思って書いてみました。20年前からあるあるなんですね。もちろん会う方のほとんどは普通の良い方ですし、その聞いてくる方も悪い人かっていうとそうでもなく、悪気があるわけでもないんですけどね~(^^;)
例えばたくさん日本人のいないエリアであれば、「どの会社?」ってすぐに聞きたくなるのも分からなくはないし、ケースバイケースな部分も多いんですけれどね。
natuさんもよい週末を♪