イギリスのご飯が死ぬほどまずい、という話が話題だったりします。
「全ての食べ物がまずい」「栄養失調寸前」 英国へ留学した姉から届いたLINEが切実で泣きそう
まぁ、ネタ的な感じで盛り上がるのはけっこうなことだと思うのだけれど、私のように、家族の都合などでひょんなことからイギリスで暮らすことが決まった人にとって、この手の話はけっこう辛いものでもあるのです。
友人などにイギリスで暮らすことになった、ということを告げると、必ずと言っていいほど「料理マズイよね」と言われるからです。いきなり外国で暮らさなければいけなくなったことへの不安がある中で、そんな不安な気持ちに拍車をかけるようにこの言葉をかけられると、(言っている方は何とも思っていないんだろうけど、)言われる度にちょっとナーバスな気持ちになったものでした。
ま、でも結局、イギリスに来てみればなんのその。
平均よりちょっとマズイだけですwww
っていうちょっとした冗談はおいといて。(いや、平均よりはやっぱりちょっと不味く感じるんだけどw)
ロンドンに来て、イギリス料理を含め中東の料理とかいろんな国の食事をしてみて思うのは、結局、美味しいか不味いかっていうのは慣れの部分が大きい、ということ。イギリス人にとっては下味の付いていないあの味が慣れ親しんだ味で、その味が私たちにとっては違和感がある、それだけであって、優劣があるわけではないということ。(表現としてまずいという言葉を使ってしまうことはあるけれど、それは優劣を語っているわけではなく、文字通り、口に合わないだけ、なのだ。)
私は日本人だから日本の料理が世界一美味しいと思うけど、それは単に私が日本食に慣れてるだけ。炊きたてのお米の匂いが気持ち悪い、とか、照り焼きの味は甘いかしょっぱいかどっちかにしろ、とか、豆を甘く煮るなんて信じられない、とか、寿司の生魚や海苔が気持ち悪い、とか、イギリスで出会った外国人にけっこう言われたし、そりゃー好みの味覚が固まった後に日本食を食べたらそう思うわ(^∀^)って思います。
人の味覚は8~9歳ぐらいまでに決まってしまう、って説があるらしく。私はザ・日本食で育ったからか、大人になってもパンやパスタではいまいち満足感が得られず、自分で作ってまでは食べたくないというタイプです。(そりゃあ、たまに美味しい既製品を食べればそれはそれなりに美味しいけれど。)味付けはさしすせそやお出汁がやっぱり好み。パクチーは大嫌い、スパイスもそこまで好きじゃない。
でも、私みたいな味覚だと、外国で暮らすとコストかかります。醤油や味噌はやっぱり高いし、ジャポニカ米もパンに比べたら割高。それでも満足感には変えられないから、買うけれど。それに、ロンドンではパクチーが入った料理も多いので、そのあたりもちょっと困ることがあります。
そんなこんなで、ロンドンに来てから、グローバル人材(笑)的な食育を全く受けていなかったことをすごく感じました(´・ω・`)私にもし子供がいたら、パクチーやスパイスに小さい頃から慣れさせる、とか、たまにはサラダにビートルートを混ぜてみる、とか、どこの国に行ってもそれなりに美味しいものを見つけられるような舌を持つ子に育ててあげたい、と切実に思います~(´;ω;`)
そんなグローバル人材(笑)的な舌を持っていない限り、外国に来ればどうしても、口に合うものを探すために通常よりも費用的にも時間的にもコストはかかるものだし、そういうことを自分の中で納得して、消化して、それでも美味しいものが食べたいなら費用か手間か、どちらかをかけることしかなかったりもする。
だから、日本にいるときはグルメな人とか味にうるさい人ってなんか通っぽくてかっこいいって思ってたけれど、こんな状況に置かれてからは、そこそこのものやその住む土地土地にあるもので美味しいって思えるのも、すっごく価値ある能力だよなー、と思ったりします。どんなものでも、「あー美味しかった~(*´∇`*)」って心から思えたら、それだけですっごい幸せだよね。
たぶん話題のお姉ちゃんは外国暮らしで不安になっていることが大きいし、いくらなんでもご飯が洗剤の味とかイチゴが農薬の味とか、そんなことはない(よね?)。(自炊ができない寮生活みたいな状況で、とんでもないコックが食事を作ってるとかだったら、ご愁傷さまとしかお声掛けできないが…。)特に、イチゴは日本より安くて甘くてすごく美味しいと思っているんだけど、私の味覚が変なのかしらww?(だとしたら、私は神様と両親に感謝します…\(^o^)/)
でも、外国暮らしのストレスって自分が思っているより大きくて、精神的な部分が影響して美味しいってどうしても思えない、とか、そういうこともきっとあるよね、なんてことも思います。それはとっても分かります。だから、姉ちゃん、とりあえず元気出せよ。
でも同時に、イギリスの料理に戦々恐々としている渡英前の人がもしいたら、そんなに不安になることはない、と声を大にして言いたいとも思います。そもそも街はイギリス料理以外の料理で溢れてるし、ほんのちょっと日本にいる時よりなんらかのコストをかければ、美味しいごはん、食べられます、と私は思います。そして、味の違いを前向きに面白く思えるような心持ちでいられるように心掛けることもけっこう大切なんじゃないかとも思います。(ま、心の問題は難しいってのはそうなんだけどね。)
ちゃんちゃん。