ロンドンで見た、イスラム国日本人拘束事件について

湯川さんに続いて後藤さんも亡くなってしまったとの報道が、ここロンドンでも、おそらく日本と同じタイミングでなされていました。

ロンドンに駐在することになってからも、日本の情報はインターネットを通じてリアルタイムで得ることができます。ニュースサイトや、twitter、それから2chまでも、日本と全く同じように閲覧ができるわけで、10数年前なら考えられないくらいのリアルタイムの情報を異国の地からも得ることができます。

ちょうどtwitterを見ていたとき、後藤さんの動画が流れているという情報がタイムライン上に流れてきました。ほぼそれと同時に、BBCで同じ内容の報道がなされました。英語がそこまで聞き取れるわけではないのですが、おそらく速報という形での取扱いだと思います。

BBCのニュース専用チャンネルをつけているせいもあるのですが、その後も、ずーっと、後藤さんの件を報道し続けています。超トップニュース扱いです。というか、湯川さんと後藤さんが拘束された動画が公開されてからずっと、BBCではこの話題がトップニュースかそれに準ずるような取扱いで、毎日毎日、報道されていました。イギリスという遠い地から、ここまで安倍さんの顔を拝むことになるなんて、思ってもみなかったことでした。

どうやら日本では、カトゥーンがこの人質事件を経て新曲披露を自粛したり、その他にもアニメが放映自粛になったり(?)と、東日本大震災までではないだろうけれども、それなりの「自粛ムード」だったようです。日本にいる人にとっては、今まで他人事だったイスラム国の話が、いきなり自分達に関係のある事柄になったような、それもまだ信じられないような、そんな感じでしょうか。。。そりゃ、そんなもんですよね。

ところ変わって、ここイギリスでは、毎日が「テロとの戦い」です。本当に当たり前に、毎日テロと戦っていて、毎日テロの話がニュースの一部に組み込まれています。自粛ムードになんてなっている暇がないほど、日常的な問題、というか、少なくともそう捉えられ、そう報道がなされています。

私はまだロンドンに滞在して1カ月ほどですが、まず私がロンドンに来た次の日、オーストラリアのリンツカフェでテロが起こって、何人かが亡くなりました。その後、パリでシャルリーエブド襲撃事件が起こり、そのあといくつかのヨーロッパの都市で未遂や計画をしていた人たちが逮捕され、そして今回の日本人拘束事件。そしてそれらの大きな事件の間にも、毎日毎日、ボコ・ハラムがアフリカで今日は○人、次の日は○人が亡くなった…というニュースや、アフガニスタンで「イスラム国」的な人達が暴れているというニュースなどが、毎日毎日、新しく入ってきます。

そして、どうやらイギリスでは、そのテロの標的になった人達は、どこの国の人であろうと関係がなく、「テロとの戦い」での被害者であって、その文脈の中で報道される、ということらしいです。これは日本のメディアとはだいぶ違うなーと思う。日本では、やっぱりまだ、「日本人がいたかどうか」という文脈の中で語られることが多いのかな、と。今までも湯川さんや後藤さんのように拘束された外国の方はいますが、それらがメディアで大々的に報道されることはなかったように思う。

もちろんその日本の対応がいいとか悪いとか言っているわけじゃない。イギリスのほうが、当事者意識が高くて(実際、当事者なんだろう。)、その結果、BBCは毎日いろんな国で起こった対イスラム国との戦いを報道している、ただそれだけのことだ。

それだけのこと、なんだけど、いちよう今感じたこの違いを、備忘の意味を込めて書いておきたかったのです。特に何かの意味を込めているわけではなく、こんなに違うんだなぁ、って。お二人のご冥福をお祈りします。

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